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秘密の香り
第13章 秘密の代償
食品フロアへ降りるとさらに人で溢れていた

「おせち買っていこうか?」

「簡単な物なら…作れますよ」

「ほんと?そっちのほうがいいな」

食材を買い込み車へと戻った

「すごい人だったね、大丈夫?」

「はい、大丈夫です…やっぱり年末はすごいですね」

家に着いたら明日の午後…帰ると伝えよう

「お腹空かない?何か食べて帰ろうか」

「はい」

圭吾さんはどこに行くか考えながら車を走らせる

「何食べたい?」

「あの…前に連れて行ってくれた…」

「あぁ…31日も毎年営業しているよ」

目的地が決まった


お店の駐車場へ着き店内へ入ると賑わっていた
あのときの男の子が店内を忙しく歩き回っている
圭吾さんに気付き、こちらへ来てくれた

「いらっしゃいませ!すみません…いま満席で…で…あの…」

気まずそうに何かを言おうとしたその時

「圭吾!」

圭吾さんを呼ぶ女性の声がして
胸がチクリと痛む

声のほうを見ると
その女性は圭吾さんに近付き
大げさに抱きついてきた

私はその光景を
苦しい思いで見ていた…

圭吾さんは肩を掴み引き離した

あ…

知っている…

前に会ったことがある…


沙穂と行った瞬さんのスペインバルで… 。
























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