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秘密の香り
第14章 秘密の空間
翌日お義母さんが退院し一泊叔母さんの家で過ごしてから私たちは東京へと戻ってきた

新幹線を降り電車を乗り継ごうとしたが
お義母さんをあまり疲れさせたくなかったので
家までタクシーに乗ることにした


あと少しで家に着く…
時刻は夕方になり空はあっという間に暗くなっていった

家に入りまずは暖房をつけると
お義母さんが寝るためのお布団を敷いた

「悪いわね…ありがとう…」

「どうぞ、ゆっくりしてください…」

「母さん…何かあったら声かけてね」

私たちは部屋を出る
お義母さんの荷物は着替え以外を私たちの寝室へ置いた

リビングへ行き敦はソファに寝そべりテレビをつけ
テレビをちらちらと見ながら携帯でゲームを始めた

「敦…ビール飲む?」

「え…うん…飲みたい」

敦の視線は携帯の画面のまま

こういう瞬間…心に虚しさが溢れる


ソファの前のテーブルにビールを置くと
敦は起き上がりビールを飲んだ

「ありがと」

「うん」

ありがとうの言葉を言うときでさえゲームに夢中だ…
今回お義母さんのことで疲れているのは分かる
家で寛ぎたいよね…

でも…少し話がしたかった

お義母さんのこと…
このままずっと同居になるのかもしれない…

不安定なお義母さんをひとりにする訳にはいかないもの…

「夕飯どうする?何食べたい?」

「うーん…まだそんなお腹すかないや…今日は作らなくていいよ…桃香も疲れただろ?腹減ったらカップラーメンでも食べるよ、まだあったっけ?」

「ないや…何か甘いもの食べたいし…ねぇ…スーパー行ってくるね」

「寒いからいいよ」

「でも…甘いもの食べたいし…」

「じゃあ…頼んでいい?」

「うん、いってくるね」

いつも行くスーパーへ自転車で向かった。



















































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