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秘密の香り
第15章 秘密の毒
静かな部屋に
温かなぬくもり…


圭吾さんとの甘美な時間に気持ちが緩み
気がつくと眠ってしまっていた


外は暗いようだ…


「桃香ちゃん…」


圭吾さんはそう言って
優しい力で私を抱き寄せる


「ごめんね、僕も寝ちゃって…時間…平気?」


そう言われて慌てて起き上がり
ベッドサイドに落ちた洋服で体を隠し
バックから携帯を取り出した



19:27



敦からの着信やメールはない


少しほっとした



沙穂との時間を邪魔しないよう
気をつかってくれているのかな…



「今日は…まだ大丈夫です…」


「良かった…じゃあ…夕飯どこかに食べに行こうか?」


「はい…」



洋服を着て
乱れた髪型を整え


寒い外へと出た



そっと手を握られて…
マンションの廊下を
手を繋ぎながら歩く


「なに食べたい?」

「圭吾さんは…?私は…何でもいいです」

「桃香ちゃんの食べたいもの、がいいな」

そう言って微笑んだ


車のドアを開けてもらい乗り込む


「美味しいカレーが…食べたいです」


特別、カレーが好きな訳ではなかった


「カレーかぁ、いいね…どこがいいかな、」


なんとなく、浮かんだのが…
カレー

嫌いな人っていない気がするから


「美味しいカレー、食べに行こうか…何時までに帰ればいい…?」

「今日は…遅くなっても…大丈夫です…」


私の返事を聞くと
圭吾さんは車のエンジンをかけた…。




















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