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秘密の香り
第15章 秘密の毒
車は高速の入り口を通過した


「どこに…行くんですか?」


「秘密…」


そう言った圭吾さんの目は
すごく優しかった


車は都心のほうへと進み
大きなビルの駐車場へと着いた


ビルの中に入ると
そこはまるで別世界のようだった


雑誌で目にしたことのある
外資系高級ホテル


素敵なインテリアのロビーに
圧倒される


私…場違いじゃないかな…


圭吾さんに手を引かれ
エレベーターへと乗る


「ここ、カレー美味しいんだ」


こんな所でカレーを食べたら…
いくらするんだろう…


圭吾さんは…美香さんと来たのかな…



美しい夜景が広がるラウンジ


タイミング良く窓際の席が空いたようで
少し待ってから通された


キラキラと輝く街の灯りが
本当に美しい…


「キレイ…」


「良かった…」



圭吾さんオススメの
美味しいカレーと
サラダをオーダーした


ドリンクは
ふたりともアイスミルクティー


カレーだから
冷たいほうがいいかな、なんて
他愛もないこと言いながら



運ばれてきたアイスミルクティーは
とても美味しくて
見つめ合いながら
笑みがこぼれた


「圭吾さん…」


「ん?」


「私とのこと…」


「桃香ちゃん…」


アイスミルクティーのグラスに添えていた手に
圭吾さんの手が重なった


トクン…と
鼓動が早くなる



ちゃんと話さなきゃ…



「悪かったね…余計な心配をかけて…ごめん…」



私は首を横に振った



「圭吾さんの仕事に…迷惑かけてしまったみたいで…ごめんなさい…」



「いや…桃香ちゃんは悪くないから…謝らないで…」



気まずい沈黙が流れる



サラダが運ばれてきて
私は手を離し…テーブルの下の膝の上に置いた



圭吾さんが
サラダを取り分けてくれる



そして…美味しそうなカレーが運ばれてきた




「すごく美味しいから…温かいうちに食べよう」



「いただきます…」



本当に美味しくて
思わず言葉が漏れた



「美味しい…」



そう言って圭吾さんを見つめると
優しく微笑んでくれた

















































































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