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秘密の香り
第16章 秘密の重み
翌朝、敦はいつもより機嫌良く出勤した

お義母さんがパスポートを取得する為に外出をする
私は一緒に出掛けることにして
身支度を始めた

ドレッサーの引き出しを開け
圭吾さんからプレゼントされた香りを纏う

さりげなく、手首に
ほんの少しだけ…

手首を鼻に近付けて
香りを嗅ぎ
圭吾さんを想う


来週の木曜
友人と会うと言って
外出をしよう…


「お義母さん、お待たせしました」


駅まで歩き
電車に乗った


パスポートの手続きをして
ランチをしてから
夕飯の買い物をして
帰宅した

あっという間に
夕方が訪れる


夕食を食べ終えたとき
お義母さんあてに
電話がきて

相手は
お義父さんだった

敦が話したあと
お義母さんに変わる

子機で話しながら
お義母さんは自室へ行ってしまった


「大丈夫かな…」

心配して敦を見る

「どうだろうな…」

20分経って
敦が様子を見に行った

私は食器を洗い
ミルクティーを淹れて
ソファに座った


しばらくして
敦が子機を持って
リビングへ戻った


「何か飲む?」

「いや…」

子機を置き、ソファに座り寄りかかってくる

「お義母さんは…?」

「安定剤飲んで、寝た…」

「そう…」

「土日…実家行ってくるよ…あっちで会うことになった…」

「分かった…」

「沙穂ちゃんと会ったり…好きに過ごしてて…ね…?」

「いいの…?ついていかなくて…」

「うん…桃香…いつもありがと……母さんいてさ、気つかうだろうし…たまにはゆっくりして?」

「ありがとう…」


敦は私の膝に頭を乗せて
少し眠った


土日…


ひとりになる…


圭吾さんに
会えたらいいな…























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