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秘密の香り
第16章 秘密の重み
腕がほどけ
手を引かれて廊下を歩き
リビングへ通された

「コート、かけておくよ」
さりげなくコートを脱がしてくれる

私のコートを手にし
圭吾さんはリビングを出た

私はバックを床に起き
部屋を見渡す

コートと背広を脱いだ圭吾さんが戻る
ネクタイも取り
ワイシャツのボタンがふたつ空いている

「どうぞ、座って」

「はい…」

圭吾さんはソファに深く腰掛け
腕時計を外しローテーブルへ置いた

なんだかその仕草が
色っぽくて…
体が熱くなる

「髪型、変えたんだね?可愛いよ…」

圭吾さんの手が私の頭を撫でる

「自分で…巻いてみました…変じゃないですか?」

「そうなんだ、可愛いよ、上手だね…」

優しく頬に触れる手

私は目を閉じ
圭吾さんとのキスを堪能した…

唇が重なり
抱き寄せられる

「ん…」

ちゅ…チュ…

舌が絡み合い
お互いを求め合う

「んっ…けぇ…ご…さん…」

そう呼ぶと
圭吾さんの唇は耳たぶに触れた

「桃香ちゃん…」

なんて言おう…

「あの…」

「ん…」

顔が離れ
まっすぐ見つめられ
言葉につまる

「なぁに…?」

「実は…」

「うん…」

やっぱり恥ずかしい…

ためらっていると
圭吾さんは身を離した

「何か温かいもの飲もうか」

そう言って立ち上がり
キッチンへと行ってしまう

どうしよう…
雰囲気悪くしたよね…

落ち込んでいると
圭吾さんの家の電話が鳴った







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