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秘密の香り
第5章 秘密の温もり
22:45

「もうこんな時間だし、お開きにしますか!」
智也さんがそう言い

店を出た

「ごちそうさまでした!」
私と沙穂は圭吾さんにお礼を言う

智也さんが支払おうとしたら
圭吾さんがサッと支払いを済ませたのだ


私と圭吾さんは同じ方向…

みんなで電車に乗る

高松さん、智也さん、と別れていく

そして沙穂…

「またねー!」と車内でハグする


あーあ

ふたりきりになってしまった…


沈黙…


何も話せないよ

でも沈黙はやだな…

どうしよう


「荷物重くない?平気?」

圭吾さんが話しかけてくれた


「大丈夫です、ありがとうございます…」

他に何かないかな…

何も話せずにいると
乗り換えの駅に着いた


たくさんの人が乗り降りする


駅構内を少し歩く


やっぱり…謝りたいな…

「あの…」

「ん?」

行き交う人々を避けるように立ち止まる

「ハワイでは嘘ついてしまって…ごめんなさい…」
頭を深く下げた

「え…いや…頭上げて?そんな…気にしないで、ね?」

肩を優しく
ぽんぽんと叩かれた

「ほんと…すみませんでした…」

「大丈夫だよ…謝らないでいいから」


私たちはゆっくり
乗り換え改札へ向かい歩いた

圭吾さんとは
あと少し一緒だ

並んで電車を待つ


そこへ思いもよらない
アクシデントが起こった…。








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