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あなたの面影
第9章 危険な罠
「ほんと、玲香が言う通り地味な感じ!!」

坊主頭で顎髭を生やした方の男が不快な笑いをあげる。

「なに? 何の用なの、玲香ちゃん」

男のことは構わずに用件を問う。
こんな場所はすぐにでも出ていきたかった。
玲香ちゃんも連れて。

「あー……悪いんだけどさ。お金貸してくんない?」

彼女はわざとらしく可愛く笑い、両手を合わせて拝む手を私に向ける。

「お金?」
「そう。うちの家って金持ちだけどさぁ。親がうるさくてお小遣いあんまくんないんだよねー。ね、お願い!!」

彼女はおどけたように舌を出して首を傾げた。
テーブルを見るとカクテルらしきグラスが三つある。
高校生が飲酒をするな、などとうるさいことを言うつもりもないが、飲んでいる環境が問題だ。
更に視線を動かした私は心臓が大きく鼓動する。

テーブルの上にはカプセルに入った薬がいくつも置かれていた。
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