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あなたの面影
第11章 『あなた』
銀行や遠い親戚などもあたり、なんとか返済の目処がたち、こうして戻ってこれたと彼は話を結んだ。

「……それだけ?」

彼の話が終わったところで私は問い掛ける。
沸騰しそうな脳みそをなんとか落ち着けながら。

「ごめん。今さらこんなことを話して許してもらおうとは思ってないけど……どうしても謝りたくて」
「全然わかってない!!」

もう限界だった。
私は声を荒げてしまう。

「何について謝ってるの!?」
「何って……なにも言わず三年も消えてしまっ」
「そうじゃない!!」

突然涙が溢れて止まらなかった。

「なんで私に話してくれなかったのかって怒っているのっ!!」
「それはっ……」
「私はどこまででも聡志についていったよ? 私だって力になりたかったよっ! なんでなにも言わずにっ……」
「迷惑をかけたくなかった……」
「突然消える方がよっぽど迷惑だからっ! ずっと……ずっと三年間待たされる方がよっぽど迷惑だからっ!!」

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