この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いつも、その笑顔で
第1章 季節の変わり目に
美咲の大学の前…蓮が帽子を深くかぶり、マスクをし、奈央を待っていた
奈央が出て来たところを呼び止めた
「奈央!!」
「え?誰?」
「蓮…」
「蓮!!どうしたの!!」
「美咲…入院したって聞いたからさ、」
「あ…うん。肺炎だって…」
「美咲…どう?」
「何とか大丈夫…かなり疲れてる感じ…「
「そっか、病院どこ?」
「蓮…美咲に少し時間あげて…」
「…」
「美咲…今まで凄く頑張ってきた、いつだって蓮のことでいっぱいだった、凄く好きなんだなってそばにいる私が一番知ってる………なのに……蓮のしたこと………ちょっと許せないって、思った…美咲可哀想だよ。」
「………」
「帰るね。」
一人残される蓮…
スタジオに向かい、ギターを弾く………
「…美咲…」
二週間後美咲は、退院した。
「美咲…しばらく実家に帰ってきなさい…」
母親が心配していた
「大学あるし、大丈夫だから、ごめんなさいお母さん」
「有名人と、付き合うなんて、無理があるのよ、美咲…別れなさいとは、言わないけど、美咲は母さんの大事な娘なの。心配になるのよ。」
「母さん…」
「美咲が、幸せならいいのよ。けど最近の美咲は、顔色も悪いし…笑顔もない…言葉も少ない…母さん…凄く心配よ」
「母さん……ごめんなさい。心配かけて…」
「美咲……」
心配しながらも母親は帰って行った
美咲はマンションに帰ってきた
静まり返る部屋
蓮の姿もなかった
蓮は、帰ってこなかった
もう何日会ってないんだろう…
歌番組に出演することを奈央から聞いていたので、テレビを付けた
テレビの中の蓮は、とびきりの笑顔でカメラを見ていた
「…蓮、いつか、私にもそんな笑顔で笑ってね…」
蓮と会わずに1ヶ月が過ぎた…