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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第61章  《其の弐》 
 弥子の声の響きに、嗣道の笑顔に苦いものが滲む。
「俺が空を見ているとは、らしくないか?」
「いえ、そのようなことはございませぬが」
 弥子はひと度は否定した後、小さな声を立てて笑った。
「―申し訳ございませぬ、やはり、旦那さまらしうはないことかと」
「申したな、こいつめ」
 嗣道もまた笑い声を上げ、二人は顔を見合わせ、ひとしきり笑った。
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