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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第61章  《其の弐》 
「泉水さま」
 弥子は、小さな姫の名を呼ぶ。
 腕の中のこの限りなく温かく柔らかく愛おしいもの。この小さな温もりこそがこれからの弥子の生きる標(しるべ)となり、希望となるだろう。
 良人や我が子を捨ててまで選んだこの道は、すべてこの姫を守り育てるためであった。
―姫を、私の姫を頼みます。
 最期の瞬間まで泉水のゆく末を気に掛けながら逝った、貴美子との約束を守るため。
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