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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第11章 《巻の壱―予期せぬ災難―》
 ということは、もしや、この誠吉という男に何もかも見られていた―?
 衝撃と狼狽が泉水を混乱させた。
 泉水の想いに気付いたのか、男の眼の縁がかすかに赤らんだ。
「いや、勘違いして貰っちゃ困る。俺は確かに、お前を何度も着替えさせたり、身体を拭いたりはしたが、何も悪戯なんかはしてねえ。そりゃア、身体というか、裸は見たよ。見ようとしなくても、嫌でも眼に入っちまうからな。だが、誓って言うが、指一本触れちゃいねえ」
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