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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第11章 《巻の壱―予期せぬ災難―》
 泉水の頬がうす紅く染まった。
「ごめんなさい」
 恥ずかしさのあまり、誠吉の顔をまともに見られない。
「いや、俺の方こそ―その、何て言えば良いのか判らねえけどさ、何もしてねえっていうのは本当だからさ、それだけは信じてくんな」
 口は悪いが、根は正直な男なのだろう。誠吉の方もしどろもどろになって言う。
「そう言やア、お前のあの格好は、どう見ても町人じゃねえな。恐らくはお武家の娘だろうよ。その辺が手がかりにはなるだろうがな」
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