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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第15章 《巻の壱―幻―》
「じゃあ、一人で帰れるかしら」
 問いかけるように言うと、頭がこっくりする。
「うん、平気だよ」
「気をつけて帰るのよ」
 その声に、子どもは無邪気な笑顔を見せて、走り去っていった。ぴょんぴょん飛び跳ねるような後ろ姿を見送りながら、泉水はひとりでに口許を緩めていた。
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