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Only you……
第6章 明 3
ショーウィンドウの中には、オレよりも随分と小さな生き物たちが蠢いていた。オレはその窓に両手をつき、へばり付くように中を覗いた。
ウィーン――。
自動ドア特有の鈍い音がしてハッとする。音の方を向けば、若い男性の店員が笑顔でこっちを見ていた。
「お好きなんですか?」
にっこりとした笑みを崩さずに言った。
ここはペットショップの前だ。窓の中には犬や猫、鳥に魚に爬虫類など様々なものがいた。
「えぇ、まぁ」
オレは曖昧に答えた。実際、動物を飼ったこともなければ、触れたこともなかった。そんな機会も今まではなかった。
店員は持っていた箒で店の前を丁寧に掃く。さっさっさと小気味良い音がした。
「中へ入ってみてください。可愛いですよ」
「えっでも……」
戸惑いながらも店員に従って足を踏み入れる。店内はペットショップならではのあまり良いとはいえない匂いがした。