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Only you……
第6章 明 3
「あー!! 何書いてあったんだよ! 見せろよ」
「やーだよ」
オレは闘牛士の様に手紙をひらつかせ、麻都を挑発した。麻都はオレから手紙を奪い取ろうと手を伸ばしていた。
「見せろってば!」
「取れるもんなら、取ってみろっ!」
ついには椅子から立ち上がり、リビング中を駆け回った。バカみたいに騒いで、その後は騒ぎすぎでぐったりした。
「……んっ」
唇を合わせれば、自然と吐息が漏れる。もう何度目のキスなんだろうか。
オレはソファに寝転んで、覆い被さるようにしている麻都を見上げた。手紙はもうテーブルの上に放置されている。
「ねぇ麻都……」
「……ん?」
オレは思い切って、今日のことを話そうと思った。なんとなく、りんさんがくれた手紙に勇気付けられた気がしたから。
「今日ね、動物見たんだ」
「? それで……?」
麻都はオレの腰に腕を回すと片手でひょいとオレを座らせた。
「……あのね、オレ、アルバイトしてみたい」
麻都は驚いて目を剥いた。
が、すぐにいつも通りの笑顔に戻りオレは正直ほっとした。
「アルバイト……ねぇ」
「駄目ならいいんだ。言ってみただけだから……」
オレは急に弱気になり、俯いた。
麻都の負担にはなりなくなかった。
「どこでするつもり?」
麻都はオレの肩を抱き寄せると、諭すように言った。
「街の……ペットショップ」
「ペットショップ!!!?」
オレはそんなところに驚かれると思ってなかったので、突然大声を上げた麻都に驚いた。
「ぺ、ペットショップは駄目なの……?」
オレは恐る恐る尋ねる。
「いや、いいんだけどね。ファーストフードとか、ファミレスとかだと思ってたからつい叫んでしまった」
「い、いいの……」
にんまり笑顔の麻都を見つめれば、「いいよ」と言われた。オレは「やった!」と叫ぶと麻都の首にきつく抱きついた。耳元では麻都のくすくすという笑い声が聞こえていた。
「ただし! 条件がある」