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Only you……
第1章 麻都 1
「りん。俺は今日、早く帰るから」
部屋に着くなり、俺は告げた。反対はさせないという勢いで。
「あら、困ります。今夜はYAMADAの方から打ち合わせをしたいと...」
「そんなの下の奴等を行かせればいいだろう?」
「副所長をご指名です」
りんはダメダメと首を横に振りながら、言った。
「……俺はホストか?」
「十分やっていけるのではないでしょうか?」
俺はぷいと横を向く。りんはなかなか強情なやつだからな。どうやって先方に断るように言わせるかだが……。
「実はな――今、うちに例の男がいるんだ。だから帰してくれないか?」
最後の作戦だった。こういえば十中八九りんは「私の方から断っておきます」と言うはずだ。
「それは……本当ですか? それなら、仕方ありません、私のほうから代理の者が行くとお伝えしておきます」
ひゃっほう!! 作戦成功。どれもこれも、全てはこのおかしな会社の伝統やら、歴史やらのおかげだ。この会社のおかしなシステムの。
「その代わり、必ずその男を落としてくださいね。社長も……長くはないはずです」
後半を辛そうに言うりん。俺は「あぁ」と返事をした。
部屋に着くなり、俺は告げた。反対はさせないという勢いで。
「あら、困ります。今夜はYAMADAの方から打ち合わせをしたいと...」
「そんなの下の奴等を行かせればいいだろう?」
「副所長をご指名です」
りんはダメダメと首を横に振りながら、言った。
「……俺はホストか?」
「十分やっていけるのではないでしょうか?」
俺はぷいと横を向く。りんはなかなか強情なやつだからな。どうやって先方に断るように言わせるかだが……。
「実はな――今、うちに例の男がいるんだ。だから帰してくれないか?」
最後の作戦だった。こういえば十中八九りんは「私の方から断っておきます」と言うはずだ。
「それは……本当ですか? それなら、仕方ありません、私のほうから代理の者が行くとお伝えしておきます」
ひゃっほう!! 作戦成功。どれもこれも、全てはこのおかしな会社の伝統やら、歴史やらのおかげだ。この会社のおかしなシステムの。
「その代わり、必ずその男を落としてくださいね。社長も……長くはないはずです」
後半を辛そうに言うりん。俺は「あぁ」と返事をした。