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Only you……
第8章 明 4
シーツの冷たい感触、薄暗いホテル特有のムード、部屋を包むアイスクリームの甘い香り、さらに初めて飲んだワインが加わって、オレの頭はパンク寸前だ。指にはプレゼントされたばかりの指輪が輝いている。
オレをベッドに寝かせると、麻都は片足だけをベッドに乗せ、唇を寄せてきた。オレは黙ってそれに答える。バニラの味がした。
唇をついばむように、角度を変えながら何度も繰り返す。それはやがて深いものへと変わってゆき、麻都の舌がオレの口内に侵入してきた。
「……ん、はぁ……」
一端離れて瞳を見つめる。オレのドキドキは最高潮に達していた。
「目、潤んでる」
「う……うるさいっ」
オレは恥ずかしくて反対側に顔を向けた。麻都がベッドに乗り、オレを正面から捕らえる。
「逃がさないから」
「逃げるのはどっちだよ」
頬に当てられた掌は熱く、麻都も緊張していることが伝わってくる。
柔らかく押し当てられ、しっとりと唇を舐め上げられれば、オレの息は簡単に上がってしまう。ゆっくりと深い呼吸を繰り返していた。ぬるりと舌を絡ませあい、歯茎をチロリとなぞる。時々放しては、再びついばむ。
どれだけ繰り返しても、もっとして欲しくなる。オレは麻都を離さないように両手を伸ばした。
「好きだよ……」
耳元で囁かれ、吐息がくすぐったい。思わずふふっと笑いが漏れる。
「焼きもち焼いてみて分ったよ……」
ぺろっと耳たぶを舐められ、唇で挟まれる。オレの体は震えた。
「ん、ふっ……」
鼻を抜けるような甘い声が漏れ、オレは慌てて口をおさえた。
「……愛してる」
麻都は甘い言葉を囁きながら、服を脱がしてくれる。オレは身を委ねたまま、麻都が体をなぞってゆく感覚に酔いしれていた。
小さく起き上がった胸の突起を口に含まれ、オレは嬌声を上げそうなのを手の甲に歯を立てることで耐えた。いつまでそうして我慢していられるかは分らないが、とりあえず今はまだ隠していたかった。