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Only you……
第2章 明 1
黄緑と青のチェックのパジャマ。オレのためにある日麻都が買ってきたものだった。オレはそれを身につけると、麻都のもとへと向かう。
麻都は寝室にいた。馬鹿みたいにデカイベッドの上で、雑誌をぱらぱらめくっている。科学雑誌のようだ。――そんなことはどうでも良くて……。
「……ねぇ、麻都」
ベッドで麻都のすぐ隣に横になり、オレは麻都に声をかけた。
「ん? どした?」
雑誌から視線を外さずに、声だけで答えてくる。オレはちょっとムッっとした。が、そんなことに腹を立てている場合ではない。
「ねぇ、麻都。溜まってない?」
麻都の綺麗な横顔を眺めながら、オレは問う。
「何が?」
「……だ、か、ら」
鈍いよ、麻都。
「オレを抱いて」
麻都の驚いてオレを見る顔は、傑作だった。
オレは売りで鍛えた声音と視線で麻都を誘う。麻都はオレの体が欲しいんでしょ? だったら、ねぇ?
ふぅとため息をついて雑誌を床に置くと、麻都はオレの方を向く。その真っ直ぐな視線に、誘ったはずのオレが不覚にもどきっとした。でもそれは一瞬で、オレは気を取り直し、再度誘う。
ゆっくりと、オレに覆い被さる麻都。そして、唇を触れさせた。随分久しぶりな口付けに、オレはびくっと体を振るわせた。
「本気で言ってるのか?」
麻都が尋ねる。
「当たり前でしょ? こんなこと冗談で言ってどうするの?」
なぜか声が震えた。声だけじゃない、体も。でも、それが麻都に伝わらないように、オレは必死で演技した。
麻都の唇がもう一度オレの唇に重なる。今度は深く、深く――