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Only you……
第2章 明 1
「あの人って一体……?」
首をかしげて悩む麻都。オレは不味いことを言ってしまったような気がした。
これであの人が恋人だという決定的なことを言われてしまえば、完全にオレはまた捨てられるのだ。過去に何度もあったように……。
「あぁ、もしかして、りんのことか?」
やっぱり……呼び捨てにする仲なんだ。
オレはうつむいた。
「明が倒れた時のだろ? あれは俺の秘書の渥美 りんだよ」
ひしょ? って……。
きょとんとした顔をしたオレを見て、麻都は笑った。オレの頭はいろんなことが混ざり合って渦巻いていた。
結局、恋人だというのは、オレの勘違いだった。
あの後は散々麻都に馬鹿にされ、オレはふてくされてそっぽを向いて寝た。そんなオレを麻都は後ろから抱きしめていた。