この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Only you……
第4章 明 2

「……くぅっ」

倉庫の中に落ちていたロープで縛られた手足は、動くたびにズキズキと痛んだ。オレは拘束されたまま、冷え切った床の上に倒れていた。

こんな所にオレを連れ込んだ男はというと、携帯電話を持ち出して電話をかけていた。

――くそっ! このままじゃ、またアイツに……っ!

何とか逃げようと、色々考えるが、教養のないオレの頭では考えつかなかった。

動くたびにきつくなってゆくロープ。SMなんかによく用いられる縛り方だった。オレにはそんな性癖はないし、客に求められても拒否してきていたが、こんなところでMデビューしなくてはいけないとは思わなかった。

「そう……マジだって。うん、早くな。……ハハハ、待っててやるって」

電話中の男は、楽しげに話していた。

逃げるなら今がチャンス。そんなの分かってる。でも起き上がることもできずに、オレは転がっていた。

半開きになったままの倉庫の入り口からは、月明かりが差し込んでいた。今夜の三日月は綺麗だ。

電話を終えた男は、オレの方を見ていやらしく笑った。その様子にオレの全身で鳥肌がたつ。

「今ねぇ、明と遊びたい奴がくるからもうちょっと待ってな?」

くすくすと笑いながら、歩み寄ってくる。

転がっていたオレの髪を掴み無理やり座らせると、強引に口付けようとしてきた――が、寸前でかわす。

 パンッ――。

オレの頬を平手が打った。

その勢いにまた床の上へと倒れこむ。そして男は馬乗りになってオレの襟首を掴んだ。

「ふざけんなよ? もう逃がさないって言ったよなぁ」

オレを前後に激しく揺する。何度か地面に頭を打った。そのたびに目眩が襲う。

それでもオレは、意識を飛ばすことが出来なかった。――いや、飛ばさないように堪えた。そんなことをしてしまえば、そのあと我が身になにが起きても逃げられない。
/177ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ