この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Only you……
第1章 麻都 1
夜――静寂という言葉がよく似合っていた。しんと静まり返った夜中。俺はふと目を覚ました。特に理由はない。なぜかめが覚めたのだ。
俺は虚空を見つめ、嘆息した。
ナゼ人ハ皆平等ニ幸セニナレナイノダロウ?
そんなことを考えていた時、突然居間のドアが開いた。――開けられたのだ。
「……起きてる?」
明だ。眠れないのだろう。
「どうした?」
俺は上半身を起こし、明を見た。暗い中でもハッキリと姿が分かる。
「……こっちに来ても――」
そこで言葉を止めた。甘えるとという行為は、明のプライドが許さないのだろう。そう思い、俺は言った。
「布団持ってくるか?」
小さく頷いたのが分かると、俺は立ち上がり、布団をもう1人分隣に敷いた。
布団が敷かれると、明はゆっくりと近寄り座り込んだ。
俺は明のいる方と反対を向き、寝ることにした。
「おやすみ」
「……おや、すみ」
2人でこんな風に眠ったのは初めてだった。妙にドキドキした。
少し経つと明の寝息が聞こえてきた。そうしたら安心したのか俺もすぐに寝付くことができた。