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Only you……
第1章 麻都 1

夜――静寂という言葉がよく似合っていた。しんと静まり返った夜中。俺はふと目を覚ました。特に理由はない。なぜかめが覚めたのだ。

俺は虚空を見つめ、嘆息した。

ナゼ人ハ皆平等ニ幸セニナレナイノダロウ?

そんなことを考えていた時、突然居間のドアが開いた。――開けられたのだ。

「……起きてる?」

明だ。眠れないのだろう。

「どうした?」

俺は上半身を起こし、明を見た。暗い中でもハッキリと姿が分かる。

「……こっちに来ても――」

そこで言葉を止めた。甘えるとという行為は、明のプライドが許さないのだろう。そう思い、俺は言った。

「布団持ってくるか?」

小さく頷いたのが分かると、俺は立ち上がり、布団をもう1人分隣に敷いた。


布団が敷かれると、明はゆっくりと近寄り座り込んだ。

俺は明のいる方と反対を向き、寝ることにした。

「おやすみ」

「……おや、すみ」

2人でこんな風に眠ったのは初めてだった。妙にドキドキした。

少し経つと明の寝息が聞こえてきた。そうしたら安心したのか俺もすぐに寝付くことができた。
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