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Only you……
第5章 麻都 3
俺の初恋の相手は、明なのかもしれない。
そのへんどうなんだろうか。
――りんにでも聞いてみよう。恋ってなんなのか。
しばらくはこのぬくもりを無心で味わっていたいのだ。
じんわりと心にまで広がってゆく、明の体温を。
俺が生きる糧を。
人は恋をすると弱くなるとはよくいったものだ。
実際その通りだと思う。
明を好きになって、俺には怖いものが増えた。
明が死ぬこと。
明が泣くこと。
明が傷つくこと。
明がいなくなること。
俺はついに見つけた、運命の片割れを。
どこを捜しても代わりなんていない。
――たった1人の、大切な人……。
――明、君に捧げよう、俺の全てを。