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Only you……
第6章 明 3
「さ、最近ですか……?」
「そう、麻都さんと仲良くやってる?」
不意にりんさんは立ち上がり、オレの前にぽんと座った。
「え……まぁ」
「私たちのためにも、仲良くやってくださいね」
ぽぽぽぽぽんと、オレの頭上にクエスチョンマークが浮かんだに違いない。りんさんの言った“私たちのためにも”の意味がさっぱり分からなかった。首を傾げていると、りんさんがくすくすと笑い出し、終いには腹を抱えて爆笑していた。
「まぁ、相思相愛なら問題ないわね」
「……えぇ」
オレはふと不安になった。本当に相思相愛なんだろうか、と。
「……どうしたの?」
オレの様子を察知したのか、りんさんが俯いたオレの顔を覗き込んできた。オレは慌てて笑顔を取り繕ったが、無意識に溜息が漏れてしまいカムフラージュにはならなかった。
「おねーさんに相談してみなさい? 力になれるかもよ?」
まるで小動物にするかのように、オレの髪を撫でた。
オレは何だか妙に心地よくて、ぽつりぽつりと心のうちを話し始めた。
――麻都は、本当にオレなんかがいいの?
――麻都はなんでオレを選んだの?
――麻都はオレなんかのどこがいいの?
――麻都は……。
りんさんは優しく微笑むとオレの頭を抱えるように抱きしめた。その暖かさに、不安な気持ちが溶かされていくような気がする。
「本当におねーさんみたいだ……」
オレが小さく呟けば、りんさんは優しく髪をとく。
「じゃあ、おねーさんが助言してあげるわ」
そして、りんさんは話し始めた。
オレは静かに耳を傾けていた。