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Only you……番外編
第4章 夜の帳は
暖かいお湯は、僕の冷えた体を骨のうちから温める。その温度にほぅとため息をついて、鏡を見る。そこにはにやけすぎの自分がいた。露骨に期待しすぎだ。
バスルームを出ると、貴正は新聞を眺めていた。特に読んでるふうではないけど、パラパラとめくっては時々手を止めたりしている。僕が静かに近づくと振り向き、「私の番か。んでは」と言って行ってしまった。
僕はその背中を見送り、開かれたままの新聞紙を片付けるとテレビをつける。とりあえず、貴正が戻ってくるまで、だらだら過ごそう。
「お待たぁ」
首にタオルをかけたまま、ぺたぺたと歩いてくる。そしてソファーに座っていた僕に、飛びつくように抱きついてきた。僕はしっかりと貴正を受け止めると、シャンプーの香りが漂う髪を撫でる。
「準備おっけーだよ」
「そうかい」
僕たちはそのまま、ベッドルームへと直行だ。ようやく2人きりの時間がやってくる。
このベッドの上で体を重ねるのはいつぶりだろうか。随分と久しぶりだった。最近は何かと時間が無くて、ゆっくりと話もしていなかった気がする。
「んっ……」
甘いキスに幸せのため息が、どちらともなく漏れる。見詰め合うと息が詰まりそうなほど綺麗な貴正が、僕を真剣に見ている。
貴正の前髪を僕はかきあげさせる。貴正が気持ちよさそうに、くすりと笑った。
「透真……愛してるよ」
「知ってる」
そんな分かりきった言葉も、僕をその気にさせる。全身が貴正を求めてうずきだす。
耳をあまがみしながらガウンを脱がしてゆく。白い肌が現れ、僕は迷わずそこに唇を寄せた。
「はっぁ」
突起に吸い付き、舌先で転がせばその返事のように声が上がる。僕の髪をかき混ぜる貴正の手が不意に僕の頬へ下りてくる。それは“キスしてほしい”のお決まりの合図だった。僕は焦らさず口付ける。