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Only you……番外編
第11章 内心

透真の手が、優しく髪に触れる。長い指が私の髪と絡み合い、するするとすべる。うっとりと見上げれば、透真が微笑んでいた。それにまた胸の鼓動が早まってゆく……。
「私と付き合うのは大変だよ? 覚悟できてる?」
私が真剣にそう尋ねれば、「当たり前」と返事が返ってくる。
「じゃあ、ずっと……私を守って」
「……うん」
私の頭を抱え込むように抱きしめる。
そしてふわりと放し不意に私の顔の前まで降りてくる。
――!!!!
私は目を見開いた。見開いたまま止まってしまった。それはきっと周りから見れば、かなり滑稽な表情だっただろう。
透真の唇が、一瞬私の唇に触れたのだ。
私は顔が熱くなりすぎて、涙が滲んできた。心臓がどくんどくんと波打つ。
そしてもう一度、透真が私に触れる。今度はゆっくりと、ゆっくりと。私は静かに目を閉じた。
後ろの壁にもたれかかり、透真の腕に支えられて、ようやく立っている。そんな感じだった。
全身の力が透真に吸い取られてしまいそうな感覚。
柔らかな唇が、触れては離れ、また触れる。そうしているうちに、ぬるりと何かが口の中へと入ってきた。
「……んっ!」
口の奥へと避難していた舌がそれに触れ、自然と絡み合ってゆく。
「……はっあぁ」
呼吸が出来ず、苦しかった。私はぜいぜいいっているのに、透真はけろっとした顔をしていた。
疲れている私を見て、透真が笑う。
私がぷいと怒れば、それにさらに笑う。
もうどうしていいか分からなくて困った顔をしても、笑いつづける。
なんてヤツだ。

