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Only you……番外編
第11章 内心

「……貴正」
私の名前を小さく呟いて、透真の唇が降ってくれば、私はそれを優しく受け入れる。呼吸は相変わらず苦しいが、それでも幸せだ。
私が透真にもたれていると突然透真の手が私の下半身に触れた。反射的にびくんと体が反応する。
「やっ……」
透真の胸を押して抵抗するものの、手に力が入らず私自身がずるりと床に座り込んでしまった。
相手が透真でも、その先の行為はまだ怖かった。
「ご、ごめん……」
私はなんと言っていいか分からなくて、俯いてひたすら謝っていた。
透真もしゃがみ込み、私の頭をぽんぽん撫ぜた。
「僕こそごめん……焦りすぎだよね?」
私は思わず透真に飛びつくように抱きついた。乾いた笑い声を上げる透真が、すごく寂しそうだったから。
「ごめん、ごめん。嫌なんじゃないんだ。ただ、苦しくて……」
「苦しい?」
私の心臓はさっきからずっとドキドキしつづけている。
「どきどきが、収まらないんだ……」
自分の胸に手を当てて、ぎゅっと握り締める。発作にも似ていて、それでいて暖かい。
「ばぁか」
そう言うと、透真は私を両腕で包み込んだ。
私のどきどきは相変わらず止まらない。
苦しい、でもそれはとても心地よかった。初めての感覚に、私は目を閉じて酔いしれた。

