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Only you……番外編
第3章 昼休みは

「本日はこの書類に目を通して頂いて、問題点はないかの最終確認をお願いします。その後は現場の視察にも行きますので――」

「視察は明日にしろ。別に急がないだろ?」

「しかし……」

いつもそう、僕の話に社長は一々口をはさむ。

「今日は透真と仲良く過ごすのっ!!」

そんな馬鹿みたいな理由に、溜息一つで了承してしまう僕って、なんて甘い人間なんだろう。

書類を社長の机に並べると、それらの簡単な説明をする。社長はそれを頷きながら、時には質問を返しながら聞く。それが終わると僕は、社長のためにコーヒーを煎れる。社長はコーヒーが大好きだった。眠気覚ましになるから……。

「どうぞ」

「ん。置いといて」

 ――コトン。

机の端、落ちない程度の場所に置くと、僕も自分の机に向かう。予定の確認や予定の組み立て、電話の対応などなど。それらは僕の仕事だった。

 ――チャラララ~。

昼を知らせる音楽が社内全体に響く。これから1時間、昼休みだ。

社長は待ってましたと言わんばかりに勢いよく椅子から立ち上がると、食堂から運ばれてきた昼食を、ソファーの僕の隣で食べ始める。社長室には、毎日食堂から昼食が運ばれるようになっているのだ。

「あげる」

そう言うと、チャーハンの上にあるグリンピースを次々と僕のものの上へと移動させる。

「自分で食べてくださいよっ!」

「イヤ。だって苦いし」

「……まったく」

怒りながらも、仕方なくグリンピースまで全て平らげる。満腹で満足だ。

昼食に満足した社長は僕の肩にもたれかかってきた。

「30分だけ……」

「だ、だめです」

この人、寝たらまず起きない。30分でなんか起きてくれるわけない。慌てて揺するが、もう今にも寝てしまいそうだ。
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