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ラブ☆ファイト!!
第2章 に
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「だぁああ、痛い、おまえ、下手くそだ!!」
「それより、おとなしくして」
「無理だ、もう自分でやる!」
「ダメ、オレがやる!」
大きな鏡台の前で、さっきから、何度もこんなやり取りが続いている。
「じゃあ、あたしが類の髪をとかしてやるよ?ほら、ここに寝癖がついていてるじゃんか!」
「え?いいよ、それよりオレが玲の髪を……」
「櫛をよこせ、貸せ!よこしやがれ!!」
仕舞いには、櫛の取り合いにまで発展してしまって……。
「こら、危ないから、玲、じっとして!」
「うわ、焦っている類の顔、面白れぇー」
コンコン、
「失礼します、玲さま」
「「っつ!?」」
取っ組みあいしている姿を、汐留さんに見られて、お互いに、固まってしまった!
「あ、申し訳ございません!類さまが、こちらにいらっしゃるとは知らず、失礼しました!」
汐留さんは、細い目を大きく見開いて、あたしの事を、ガン見してる。
「あの、大変失礼ですが、類さまに、何をされていたのでしょうか?」
さっそく疑われてるよ、あたし。
櫛で類のことを刺すとでも思ったのか?
「汐留、いい。とにかく下がれ!」
「は、ですが……」
「玲おいで!!」
「ちょっと、類!汐留さんが見ている前で、何すんだよ!」
類があたしの事を抱き寄せて来た。
さっきまで、ふたりで争っていた櫛がポロリと床に落ちる。
「元々、おまえが勝手にあたしの部屋に来んのが悪いんだろ!誤解されるのも、当然だ!」
汐留さんが、顔をしかめる。
あたしに対して、相当、気に食わない様子だ。
「玲さま、類さまの事を気安く呼び捨てには、しないでください!それにその言葉遣いは、一条院の者としては、相応しくは、ございません!」
「オレが許したんだ!玲は、玲らしくいてほしいと、思う!」
「…類さま、それでは、玲さまに示しが……」
「いい、玲は、特別なんだ。誰にも譲れない!」
ぎゅうっと、強く抱きしめられて、少し息が苦しくなった。
汐留さんは、見るからに落胆していた。
それもそのはず、ずっと類は、あたしの事を、無視し続けていたし、一条院の者としてあたしも言葉遣いには気をつけていた。
それをいきなり覆されたのだから、驚くのも、無理もない!
…
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