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ラブ☆ファイト!!
第3章 さん
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衝撃的だった。
あたしの知る千秋は、いつも男気が強くて、明るくて、みんなを引っ張って行く存在だった。
喧嘩は確かに、あたしの方が強かったけど、精神的には、あたしよりも、強いと、思っていた。
千秋と出会ったときのあたしは、飲んべえで競馬好きの父親と、いつもやりあってて、毎日が辛かった。
怒声をあげては、うちらに暴力を奮うあいつは、最低な人間だった。
何度も実の父親を殴ってやりたかった事か…。
母さんに、やめてと泣かれると、殴れなくて、毎日毎日、むしゃくしゃしてた。
そんなとき、湘南の海辺で一人ブラブラしていたら、千秋に声を掛けられたんだ。
「ちーっす、さっきから見てたけど、おまえの背中のオーラがすげぇ、こえーよ?」
初対面、タバコを食えわえて、金髪で、背が高くて、目が一重で、見るからにヤバそうなやつだと思ったけど、その時のあたしは、彼が救世主にみえた。
この糞みたいな日常から、救い出してくれそうな…。
「何度も殴ってやりたいやつがいるんだけど、出来ずにいて、むしゃくしゃするんだよ!」
「へぇ、じゃあさ、俺たちと付き合わない?おまえのストレス発散になるし、楽しいこと間違いないなし!」
「は?」
「おまえ、本城玲だろ?噂は聞いてる。岡中で喧嘩がめっぽう強いって!」
「あたし、不良には、なりたくないんだけど!」
「いやいや、不良になってみたら、今まで出来ずにいたことが出来て、意外と楽しいぞ?」
「そうなのか?」
「おう、そうさ!良いから、こい!バイクのケツに乗らせてやる!」
初めて乗ったバイクのケツは、あたしに全く新しい爽快感を与えてくれた。
悪い事をするのは、気が引けたけど…
もう、何も考えずに、千秋の隣にいるのが、とても楽だっだ。
母さんが親父との離婚を決断して、新しい父親が現れるまで、ずっと千秋の傍にいた。
そして、紅の総長の女として、何度も他の族との抗争に巻き込まれて、その度に勝ち抜いて来た。
そういえば、千秋があたしに、言ってたっけ。
「俺、おまえがいないとだめかもな、ずっと俺たちの傍にいろよ!」
「……うん」
返事をしたものの、あまりにも千秋や栄介たちの傍にいすぎて、別れるときが辛くて…
あたしは、さよならも言わず、突然消えた。
‥
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