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ラブ☆ファイト!!
第5章 ご
ガチャ、ノックもせずに類の部屋に入った。
類の部屋は、一階の一番陽当たりの良い南部屋で、25帖という、とてつもなく広い空間には、TVやオーディオは無く、ひたすら本棚がびっちり並んでいた。
本棚の向こうには、キングサイズのベットが見える。
そして、あちらこちらに扉がある。
どうやら、書斎や衣装部屋、浴室は、続き部屋にあるらしい。
どれだけ、類さま優遇されてんだ?
あたしの部屋のつくりも豪華だが、類さまのお部屋はさらにその上をいく感じだ。
本棚の奥に進むと、類がベットの正面にある窓際に立って、本を読んでいた。
今日は仕事じゃなかったんだな?
類がいて、ほっとする。
「類、遅くなって、ごめんな!」
「玲、帰って来たんだね?」
視線を向けられると、ドキンと、心臓が跳び跳ねた。
木漏れ日に照らされたサラサラの茶色い髪が、綺麗で、目が離せない。
「ああ、帰ったよ!」
「おいで、玲?」
「うん!」
自分に向けられた笑顔が嬉しくて、吸い寄せられるように、類の元へ向かうと、不思議とむしゃくしゃしていた気分が晴れていった。
…あたしが本当に会いたかったのは、類だったのかもしれない…
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