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ラブ☆ファイト!!
第1章 いち
かぁぁああーっと、体が熱くなって、顔が真っ赤になっている気がする。
恥ずかしい、こんな顔を見られたくないのに、類は、いつもの見透かすような瞳で、あたしの顔を覗きこんできた。
「くくくっ、あんた、顔、真っ赤(笑)」
「う、うるさい、あんま、人の顔ジロジロ見んなっ!!」
類に両手を頭上で纏められていて、自分で顔が隠せない。
もう、どうでもいい。
母さん、ごめんなさい、もう、お嬢様のふりは、限界だ。
「言っとくけど、あたしが、どこで何をしようが、あたしの勝手だろうが!どんだけ身分が高くて、お金持ちの一条院の類さまだかなんだか、知んないけど、おまえなんて、其処らへんにいるただの凡人類で充分だ、バーカ!!」
一瞬、類は、驚きの顔を見せたけど、すぐに元の真顔に戻った。
纏められていた手を、解かれて、ほっとしたのも束の間、今度は、あたしの腰まである長い髪をひとふさ手にとって、そこにキスをしたのだ。
「なななな、なにすんだよ、このやろう!!」
変態だ、こいつ絶対に変態だ、ふざけんな!
それなのに、やつは、肯定したのだ。
「…そうだね、オレもそう思う。」
ドキン、ドキン、ドキン、心臓がうるさい。
なななな、なんなんだよ、こいつ。
ずっとずっと、あたしの事を無視してきたくせに!
「あんたも、変な風にお嬢様ぶらなくて、いい。」
「へ?」
「ただの凡人の玲で良いんじゃない?」
「ッツ!?」
「オレは、初めて会ったときから、あんたが無理しているのが分かってた。だから今のあんたの方が、いい。」
「え、本当にいいのか?」
「いいよ」
「じゃあ、おまえのこと、類って呼ぶからな?」
おまえ7つも年上だぞ?いいのかよ。
「いいよ」
いいのかよ!!
でも、やっぱり少し躊躇ってしまう。
「…いや…本当にいいのか?」
類はクツクツと笑う。
あたしの事を見下ろして。
「寧ろ、あんたがオレのこと、さま付けで、呼ぶ方が気持ち悪い。」
「あーそうかよ。」
ドキドキドキドキ、なにこれ。
どんな展開だよ、びっくりだよ、母さん。
…