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ラブ☆ファイト!!
第1章 いち
「…ちょっと、類、なんなんだよ、さっきから、髪ばっかり触って!何気に、照れるんだけど!」
さっきは髪にキスされて、今度は大きな手で何度も撫でくる。
「あんたの髪、サラサラで気持ちいい。」
「は?類の髪だって、サラサラで綺麗じゃないか!?」
そう言うと、類は、じっとあたしの事を見つめて言う。
「オレと同じだ、色も、髪質も、目の色も、顔の輪郭も、肌質さえ、オレとそっくりだ」
「…?あーそうかもな!」
全然気が付かなかったけど、言われて見れば、同じだ。
偶然だろ、人のことよく見てるなぁって、感心した。
「あんたに会って、なんか分かった気がする」
「は?」
な、なに、この流れ……怖すぎるんですけど!
だけど類は、見せた事もない、綺麗な笑顔を向けてきたのだ。
屈託のない、キラキラしたオーラを向けられると更にドキドキしてしまう。
その笑顔、はっきり言って、かなり心臓に悪い、と思う。
「オレも、所詮。一条院の濃い血が流れているってこと」
「いや、いやいや、意味分からないし!類は、ただの凡人類だって、さっき言ったじゃんか(笑)本当に類って、変なやつだなー」
そもそも、一条院の血ってなんだろう?
類とあたしは、血の繋がらない従兄弟同士だろ?
全然分からんよー!
「玲」
ドキン、なななな、なんなんだよ、さっきから、心臓に悪い!いきなり、なんなんだよ、名前で呼ぶな!
「もう、嘘はつく必要は、ないよ」
「うん?ああ、できるだけ、つかないようにするわー」
すると、類はとたんに不機嫌になった。
きっと、適当に言ったあたしの答えが、気に食わなかったのかもしれない。
「…………」
出た、無言の圧力
怖いっつうの!!
シカト攻撃嫌いだ!
ちくしょう、ここは折れてやるか。
「分かったよ、もう嘘はつかないことにする!」
そう言うと類は満足したのか、にっこり笑って、あたしの頭を撫で撫でしたのだ。
まるで、良くできました!と、言いたげに……。
悔しいけど、まぁいっか。
「今日、何処の海に行ってた?」
「湘南」
「何しに?」
「そ、そんなこと、類には関係ないだろ!」
それは、さすがに突っ込みすぎだ、これ以上は、言いたくない!
…