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私達が人間を辞めた日【外伝】 寿~孤独な支配者~
第2章 秘めた想い
「はあ?いいから貸せよ!!」
無い物は貸せないという事もわからない三人組は、無視を続ける俺を何度も蹴り続けた。
目立つ場所は避け、顔以外を蹴られ続ける間も、俺は抵抗しなかった。
こんな事をする人間は...幸せになれないんだ...
俺はこんなヤツらの為に...殴ったりしない...
これで...これで良いんだよね...母さん...
この公園で交わした母との約束は...今でも鮮明に覚えている...
三人組は俺の反応が無い事を退屈に思ったのか、一旦蹴るのを辞めて、再び口を開く。
そして...よりにもよって...最悪の話題をした。
「なあ、お前の母ちゃんって死んだんだろ?」
ドクン...心臓から焼けるような熱が込み上げてくる...
「どうせ親父の出世の為に体売ったりしてたんだろ」
感じた事の無いような黒い感情...たぶんこれは...殺意だ...
「それ有りそうだなー。最後はイマラチオのし過ぎで窒息死とか?」
「なんだそれ、ウケるー」
三人組の下卑た笑い声が響く中...自分でも知らない自分が...俺の精神を乗っ取るような...不思議な感覚がした。
...殺してやる...