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私達が人間を辞めた日【外伝】 寿~孤独な支配者~
第6章 針
「出ていけ...」
「お坊ちゃん...?」
俺が絞り出した言葉に動揺する麻耶...
そうだ...早く出ていってくれ...早くしないと...お前を壊したくなってくる...
もう俺にそんな行為を要求できないように...その胸を切り刻んで...膣口を引き裂いて...その手を砕いて...俺よりも辛い思いをさせたくなってくるんだ...
「早く出ていってくれ...」
俺は今どんな顔をしているのだろうか。少なくとも母さんが望んだ顔は絶対にしていない事だけは確かだ...
麻耶は俺の顔を見て酷く怯えたように震えると、服を拾い上げて裸のまま部屋から飛び出した。
母さん...どうして俺は優しくならなくちゃならないの?
なんで...俺や愛華は汚い大人達から食い物にされなくちゃいけないの?
答えて...答えてよ!!!誰か...誰でも良いから...俺は幸せになれるって...信じさせて...
まただ...俺は辛い事があればいつも母さんに問い掛ける。
返事なんて返ってくるはずがないのに、何かにすがりつきたくて...自分自身とは向き合いたくなくて...
それが俺の弱さなんだ...誰かに頼っているから...愛華も救えなかったんだ。
...もう...誰も信じない...