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私達が人間を辞めた日【外伝】 寿~孤独な支配者~
第6章 針

「そんな事言わないでください...私はお坊ちゃんを...ああッ!!」

俺は上半身を起こし、強引に挿入してしまおうとしている麻耶を突き飛ばした。
やっぱり...麻耶が本当に俺を思ってくれているなら、俺の拒絶を無視したりしない...
麻耶は驚いた様子だったが、直ぐに再び俺の元に這う。

「そんなに怖がらなくても良いんですよ?私は麗奈様みたいにしませんから...優しくしますよ」

優しく...?こんな物が優しさなの?
違う...本当の優しさは愛華のような...ただひた向きに、真っ直ぐに相手を想い...無償の愛を注ぐような...俺にはもう...備わっていない物だ。
無意識に...迫る麻耶の頬を平手で打つ。

「痛あっ!!お坊ちゃん...落ち着いてください...」

『叩いたら優真の心が痛かったよね?』
母の言葉...ズキンと胸に何かが走る...
違う...違う違う違うッ!!!他人を傷付けたって心が痛いはずが無い !!!
だって...麗奈も!!麻耶も!!俺をいじめる奴らも!!父さんも!!誰も心を痛めてないじゃないか!!!!

本当に苦しい思いをしたのは...俺や...愛華だ!!!
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