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私達が人間を辞めた日【外伝】 寿~孤独な支配者~
第10章 地獄の創立
新たな名前は寿...これから先の人生は、人の寿命を奪って生きるんだ。
気付けば俺は渇いた笑い声を上げていた。
生まれ変われる...もうすぐに...
最高潮にまで達していた気分は、扉をノックする音に宥められる。
「入れ...」
扉が開くと作業服を着た俺の部下が部屋に入り、一礼する。
「御報告致します。日付が変わる頃、一人調達する手筈となっております」
「早かったな...女の処遇方法は夜までに知らせる。もう下がれ...」
「はい。失礼します」
部下は再び一礼して部屋を出た。
この男は使える...人を殺した経験も有り、肝も座っているのが大きい。
組の抗争で敵対するヤクザの幹部を殺した男...くだらない義理で匿う組長に交渉し、身の安全を確保して俺が雇ったのだ。
その方法は簡単で、ただ警察に情報を与えると脅し、身の安全という餌を用意しただけだ。
要するに、不確かな信頼を上回るメリットとデメリットを与えたという事...
そのようにして現在四名の部下を確保していた。
追々増やしていく予定だが、その前にもっと重要な物...俺の奴隷になる女がもうすぐ手に入る...