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トラワレテ…
第5章 欲情
車に乗り込み来た道を引き返す。


離れた手を淋しく感じていると、


「あ〜あ。ミッション車なんか乗ってくるんじゃなかったなぁ〜。」


「え??なんでですか?」


「んー?だって、手繋げないじゃん。」


(同じ事想ってくれてたんだ…///)


「ふふっ。危ないからダメですよ。」


同じキモチだった事が嬉しくて、ついニヤける顔を隠したくて外を見てしまう。


信号が赤になり車が止まる。


「ユリちゃん!」


ふいに呼ばれ、馨さんの方を向くと、

ちゅっと音をたて、唇にキスされてしまう。


(///////////////////////////!)


「なっ!?……見られちゃうじゃないですか…///」

「ぷっ!ユリちゃん、真っ赤!」

「//////////////もぅ…。/////////////////」



それから信号に引っかかる度に、馨に甘いイタズラをされてしまうユリだった。



すっかり陽も落ちて、車の外は夜の景色に変わっていた。


「ユリちゃんそろそろお腹すいてない?どっか入ろう。」

「はい。ホント…もぅそんな時間ですね。」



適当に見繕い店に入ると、食事もそこそこに互いの話に花が咲く。


楽しい時間はあっという間に過ぎ、ユリのマンションの前に着いてしまった…。




「もう少しだけ大丈夫?」


と言うと、自分とユリのシートベルトを外し、名残惜しそうに抱き寄せられた。



「今日は付き合ってくれてありがとう。ユリちゃん…また逢ってくれる…?」


「…そんな…アタシなんか…。」


「なんか…じゃないよ。ユリちゃん。
俺は…ユリちゃんだから逢いたい。
もっともっとユリちゃんの事知りたい…。…ダメ…?」



ダメな訳ない…。

出会ったばかり…そんな事が理由にならない程、何かに手繰り寄せられるかのように馨さんに急速に惹かれている自分がいる…。



「あ、アタシも、馨さんの事…もっと…知りたい…です…///。」


そう言うと…更にぎゅっと抱きしめられ、間にたちこめる彼の香りにクラクラする。


こんな素敵な人とこんなシチュエーション…
ドッキリ…?夢…?妄想…?
久しぶりのドキドキ感に舞い上がりっぱなしのユリの頭はオーバーヒート寸前だ。


























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