パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第5章 欲情

「ヤバイ…俺、すっげードクドクいってる…。」

力強く刻む彼の鼓動と自分のそれとが重なりどちらの音か分からなくなる…。


どんどん高まる鼓動に押されるように、彼の顔を見上げた。


絡み合う視線。


熱を帯びた熱い眼差しに思わずたじろぐ…。


グイっと腰を引き寄せられ、逃がさないよ。と言わんばかりに首の後ろに差し込まれる大きな手に上を向かされる。


(あっ………)



覆い被さるように重なる唇。



次第に熱を帯び深くなってゆく口づけに息もできない。


「…んっ…ふっ……んっ…ん。」



差し込まれた舌はユリを追いかける様に何度も角度を変え絡みつく。


繋がったそこは熱いのに、ゾクゾクして立っていられない…。


(なに…これ…？)


身体がとろけてしまいそうな、それでいて言いようのないゾクゾク感…。

今まで経験したことのない感覚に、
堪らず彼の胸にしがみつく。



「…はぁ…んっ…ｸﾁｭ」


絡み合う音、漏れる甘い吐息。
重なり合う度、どんどん熱を帯びる二人の空気。


両頬を包む大きな手。

名残惜しそうに唇が離れた。


「ごめん…。我慢できなかった……///」



おでこをくっつけたつけたまま、馨さんは言った。


そのストレートな感情が嬉しくて、ユリは馨にぎゅっとしがみつき、ふるふると首を振った。


「…っ！あんま、カワイイ事しないで…。」


「ぇ？」


言われた意味がわからずに、思わず馨さんの顔を見上げた。


「…はっ…無意識かよ…まいったな…。」


ちょっと切なげな困った顔で馨さんは笑う。


ユリの髪を耳にかけ、





『次、そんな顔して煽ったら…食べちゃうからね…。』





低く甘い声で耳元に囁かれ、顕になった耳を甘嚙みされる。


「ひゃっ…ん…！」


「いい声…。 クスクス」



「…………！も、もぅっ！……///」


真っ赤になり、トンっと彼の胸を叩くとそのまま手を掴まれ繋がれた。


「行こうか。」


そう言って馨はユリの手を引き寄せ、歩き出した。


さらりと繋がれたその手はとても暖かい。



(こんな事されたら…好きになっちゃうよ…？)


すっぽりとユリの手を包む大きな手を見ながら、思った…。