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トラワレテ…
第6章 確信
モヤモヤを引きずったまま、忙しい日々はあっという間に過ぎ、金曜日になった。


「女の子には準備があるんだから!」


と、社長命令で仕事を早めに切り上げ、
一旦自宅へ戻り、シャワーを浴びる。


着替え易いように、前開きのブラウスとスカートを着ると、予約しているヘアサロンへと急いだ。



「予約の山内です。」


受付のスタッフさんに名前を告げ待合のソファーで一息ついた。



アシスタントの若い女の子に案内されシャンプーブースへ向かうと、担当のスタイリストさんがやって来た。


「ユリちゃんいらっしゃい♬*゜今日はセットでよかった?」


「山崎さん!こんにちは。実は社長のお供でパーティなんです…。」


「了解!シャンプー終わったら相談しよっか♬*゜」


「お願いします!」




この一年ほど担当してもらっている山崎さんはこのサロンのNo.1スタイリストで、ユリの好みをよく理解してくれている。

セット面の配置に工夫がしてあり、個室のような感覚のサロンだ。
お忍びで来店する有名人へのオーナーさんの配慮らしい。



シャンプーが終わり山崎さんの元へ案内され、ブローされながら、



「どんな感じにしよっか?」


「うーん…。今回初めてのドレスなんで、イマイチピンとこなくて、迷ってるんです…。」


「そっか…。もしよかったら、先にドレス見せてくれくれない?そっちの方がイメージ湧きやすいし。」


「そうですね!お願いします。」


受付に預けていたドレスを広げ身体に当てて見せる。

「こんな感じなんですけど…。」





「…………よしっ!」


顎に手を当て考えていた山崎さんは閃いた様に、カーラーを巻き出した。



「綺麗なドレスだね。」


「ですよね…。社長のお知り合いのお店からお借りしたんですけど、アタシなんかが着ていいのか迷っちゃいましたよ…。」


「なるほどね!でも、龍夜さんの見立てなら間違いないよ。あの人、美に関してはうるさいからね!」




元々このサロンを紹介してくれたのは社長だ。
ここのオーナーさんとも交流があり、インテリアにはうちの店の物が使われている。


「さ、こんな感じでどうかな?」






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