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トラワレテ…
第7章 氾濫
キッチンに手をつき、

ユリの背後にピッタリと立つ馨。

筋張った、逞しい腕に閉じ込められる。



『俺はいつでも…ユリにいたずらしたい…。』



そう言うと、ルームウェアから伸びる太腿を

やんわり撫で上げられ、


お腹に巻き付いていた腕が、

キャミソールの裾からスルスルと入り込んでくる。



「…………ゃ………ん…んっ………。」



馨にすっかり変えられてしまったユリの躰…。



触れられただけで、

躰の奥は

甘く痺れ始める…。




タイマーの鳴り響く中、

ユリの舌を掬い取るような馨の舌遣いに

溺れてしまう…。




「………んっ……はぁ………

ぱ、スタ…伸びちゃ……ぅ………っん……。」



やっとのことで厚い胸板を押し返すが、

甘いキスに蕩けきったユリの顔に




『そんな顔…

全然説得力ないよ……クスっ

もっと…虐めたくなる………。』



(………ぁあ……もぅ……。)



笑うと少し下がる目尻。

その奥に覗く綺麗な瞳。

そこにスパイスの様に官能の妖しい光が

見え隠れする…。



彼の全てが、愛おしい…。





やっとのことで馨に解放され、

出来上がった料理を運ぶと

ワインで乾杯をする。



アサリとベビーキャベツのパスタに

サラダとブルスケッタ



目の前に笑う優しい彼の笑顔。



ささやかな二人っきりのディナーが

とても贅沢な幸せに思える。



二人のワインのピッチはあがり、

あっという間にボトルが開く。



「呑むねぇ!大丈夫?」


「うんっっ!美味しいねっ。

しあわせだぁ〜 ♡ 」




すっかりほろ酔いなユリは

新しいワインを注ぐ馨に

しなだれかかる。




「ぇへへへへ〜♡

だぁ〜いすきっっ!!」



ふわふわと心地いい酔いが、

ユリを包む。


顔色1つ変えず、クイっとグラスを空ける馨を

トロンとした表情で見つめるユリ。


溜飲に上下する喉元がたまらなく艶っぽい…。



ほぅ……っと見蕩れていると、



ちゅっ…と音を立て唇を奪われる。



































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