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例えば、こんな...
第8章 女子高生と先生と #1
……と言う事は、さっきの男子は西園寺か

記憶を探ろうにもちゃんと室内を見た記憶すらない。

まぁそれは良い

「一度席を外すと言われただけだから、直に戻って来ると思うよ?」
「……そう、ですか」
気怠げに応える河合の目蓋が下がる。

ヤバい!

思った時には身体が動いていた。彼女に駆け寄り、崩れ落ちる身体を抱き止める。
「河合?」
力ない上体をしっかり支え、上から顔を覗き込む。
「……スミマセン、ちょっと目眩がして……」
見上げてくる河合の吐息が早い。不謹慎にもドキッとした。
「熱、あるよね?」
「……はい、多分」
多分なんてモノじゃない。ぐったりした身体は制服越しでも分かるくらい酷い熱さ。河合の言葉に額を重ねたのは純粋に熱を測ろうとしたのか、少しでも近づきたかったのか……
「……せん、せ……」
掠れた声で困った様に呼ばれ、我に返った。
「あ、悪い」
慌てて上体を起こした俺に目を伏せて小さく首を振る。赤みの増した頬。連鎖する様に心拍数が上がるのが分かった。

このままだと、マズイ

「ちょっとだけ、ごめんね」
先に断りを入れ、河合の身体を横抱きに抱えあげた。
「ひゃっ……」
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