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例えば、こんな...
第8章 女子高生と先生と #1
河合に渡した後で、開封していない事に気が付いた。
「あ、ごめん。開けてなかった」
伸ばした手が指に、触れて
「あっ」
河合がパッと手を離した。ペットボトルがベッドの上を滑り落ち、派手な音を立てて床を転がる。
「スッスミマセン」
勢いよく頭を下げて、クラリと揺れる。反対側に倒れそうになった身体を咄嗟に抱き寄せていた。腕の中で河合が震える。
「あっ、ごめん」
慌てて上体を離して、でも肩を支える腕は離せない。
「大丈夫?」
覗き込んだ河合は顔も耳も首も鎖骨も、見える所は全て真っ赤で。キュッと目を閉じ、小さく何度も頷かれた。

あぁ、マズい

馴れてない反応が汚れまくってる俺には新鮮で、一つ一つが可愛くて堪らない。
本気でどうにかしてしまいたい。

そっと枕に寄り掛からせて腕を解いた。くたりと沈む熱をもった身体に自分を戒める。
「危ないから、気を付けて?」
また無言でコクコクと揺れる頭。
「そんなに振ると、めまいするよ」
「あ、はい」
力なく応えて河合は枕に身体を埋めた。その姿に胸の奥を擽(くすぐ)られる。

触らずに、いられない……

自戒虚しく、俯き気味の彼女に手を伸ばす。熱い頭をそっと撫でた。
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