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例えば、こんな...
第8章 女子高生と先生と #1
ビクッと竦められた肩に、胸が痛む。クシャリと髪を乱して身体を離した。ベッドの足側に置いてあったもう一本を手に取って、今度は蓋を開けて河合に差し出す。
「こっち、飲んで?」
赤い顔を隠すように前髪を触っていた河合がゆっくりと頭を上げた。そろりと伸びてきた細い指。薄い手のひら、華奢な手首。抱き上げた身体もそう。どこまでも小さな河合の造り。強引に扱ったら壊してしまいそう。
「ぁ、ありがとうございます」
柔らかい声が耳に心地良い。
「ん、飲める?」
「はい」
頷いて、ペットボトルを口に寄せる。熱のせいか、赤い唇。小さくすぼめられたソレがペットボトルに押されて、見るからに柔らかに形を変える。滲む水にじわりと濡れて……

……壊してしまいたい

気を反らそうと床に視線を移した。
見える範囲にペットボトルはない。カーテンの外に転がって行ったのだろう。

はぁと小さく聞こえた吐息。ただそれだけで心拍が乱される。
視線を戻した俺に
「冷たくて、美味しいです」
河合がにこりと微笑んでくる。
熱に潤んだ赤い目元。濡れた唇。
こんな時にも関わらず、ゾクリと震える。どうにもイカれた俺の雄。
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