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例えば、こんな...
第8章 女子高生と先生と #1
手っ取り早いのは他の女と付き合う事。幸い見てくれの女受けは悪くない。探そうと思えば釣る事は出来る……

そこまで考えて、自分の思考に嫌気が差す。

自分を貶めたからといって、この感情が消える訳がない。
僅か十七歳の教え子に、こうも心を持っていかれるとか……思いもしなかった。

時計の秒針の音が聞こえるほど静かな室内。気を抜くと溜め息を吐きそうで、呼吸が浅くなる。

意識し過ぎだろ

そう自嘲しつつも、早く桐生先生が来てくれる事を願ってしまう。

俺、何にこんなに弱ってんの?

何度目かの溜め息を飲み込んで机に突っ伏した。遠くから声が聞こえて来る。一人は桐生先生でもう一人は、聞いたことのない男の声。互いに親しげな口調で話してる。

頭を起こして水をあおった。
程なく軽いノックの後にドアが開く。
入ってきたのは白衣を来てない桐生先生ともう一人、長身の男。
「失礼します」
抑え気味の低音で挨拶をして入ってすぐの辺りで立ち止まる。一見細そうだが、姿勢の良さや身体つきから鍛えてるのが窺い知れる。黒い短髪に目付きの鋭い精悍な顔付き。いわゆる美丈夫

誰、だ。
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