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例えば、こんな...
第8章 女子高生と先生と #1
気づかれてる、よな……
ただでさえ禁忌な感情。桐生先生は河合の兄と面識がありそうで、笑顔から一転責められると思ってた。それが
「斎藤先生、あんな優しい目も出来るんですね」
桐生先生の口調は変わらず穏やかで、
…………
「真純ちゃん、純粋ですから慎重にお願いします。傷付けないで下さいね」
止めないのか?
疑問に思った事が顔に出たらしい。桐生先生の目がふっと細くなる。
「真純ちゃんが接触を許しましたから」
……どういう事?
「男性不信なんです。真純ちゃん。でも、斎藤先生は熱計って、アイスノンも当てて下さったんですよね?」
「……はい」
ニコリと穏やかな笑みで
「だから大丈夫かなと」
とんでもない事を言う。
何が「だから」で「大丈夫」なんだ?
河合は熱で朦朧としていただけだろう?
反対や軽蔑されなかったのは助かるが、桐生先生の「大丈夫」の理由が分からない。
腑に落ちない俺を放置して
「多分、壮先輩が一番驚いてると思います」
またしても訳の分からない事をいって微笑む。どう思い返しても、あの兄にそんなそぶりはなかった。
ただでさえ禁忌な感情。桐生先生は河合の兄と面識がありそうで、笑顔から一転責められると思ってた。それが
「斎藤先生、あんな優しい目も出来るんですね」
桐生先生の口調は変わらず穏やかで、
…………
「真純ちゃん、純粋ですから慎重にお願いします。傷付けないで下さいね」
止めないのか?
疑問に思った事が顔に出たらしい。桐生先生の目がふっと細くなる。
「真純ちゃんが接触を許しましたから」
……どういう事?
「男性不信なんです。真純ちゃん。でも、斎藤先生は熱計って、アイスノンも当てて下さったんですよね?」
「……はい」
ニコリと穏やかな笑みで
「だから大丈夫かなと」
とんでもない事を言う。
何が「だから」で「大丈夫」なんだ?
河合は熱で朦朧としていただけだろう?
反対や軽蔑されなかったのは助かるが、桐生先生の「大丈夫」の理由が分からない。
腑に落ちない俺を放置して
「多分、壮先輩が一番驚いてると思います」
またしても訳の分からない事をいって微笑む。どう思い返しても、あの兄にそんなそぶりはなかった。