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例えば、こんな...
第8章 女子高生と先生と #1
桐生先生はどうやら機嫌が良いらしい。
「あぁ、壮先輩は常に無表情なんで、そこは気にしなくて大丈夫ですよ」

ニコニコと何のアドバイスしてんの?

……まさかと思うけど、俺けしかけられてる?

「桐生先生」
「何でしょう」
「止めないんですか?」
否定するのも今さらで、正直に聞いたらフワリと微笑まれた。
「止めません」
断言するその瞳は笑ってなくて、本気なのだと窺わせる。が……
「倫理的にどうかと思いますが」
首を傾げた俺にスッと目を細め
「世間がどう言おうと、僕は真純ちゃんが幸せになってくれれば良いんです」
真顔で言ってのけた。
「身体を触る事の出来た斎藤先生なら、真純ちゃんの男性不信も大丈夫でしょうし」

ちょっと待て、男に触れられるのダメなのか?それ男性『不信』のレベルか?

「何より、あんなに優しい笑顔で真純ちゃんを見つめる斎藤先生ですから、悪い事はしないでしょう?」
戸惑う俺をお置き去りにしたままニコリと口角を上げた、その笑顔。

一応、少しは牽制されてるのか……

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