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例えば、こんな...
第10章 バカンス
ホテルに直行したい気持ちを抑え、立ち寄った景勝地。その昔琉球の王に「万人を座するにたる」と賞賛せしめた場所。海に沈む夕日が綺麗らしいが、今はまだ日が高い。
ここは遊歩道が整備されているから、ヒールのあるサンダルを履いた真純でも楽に歩いて行ける。
「すごーい!さ……拓真さん、綺麗ですよ?」
会話が途切れるとまだ間違える。その度頬を赤らめて訂正する様が可愛くてにやけそう。
「そんなに走ると危ないよ?」
今日はそれほど風は強くないが、高いヒールに日傘を差して走られると心配になる。急いで追い付いた途端
「ひゃあ!」
案の定、ガクッと右足を捻った。咄嗟に左腕を掴んで転倒を防ぐ。
「大丈夫?」
「は、い……スミマセン」
腕で吊られた様な状態で俺を見上げる真純。顔が赤いのは注意された上で転んでしまった羞恥から。すぐに下に視線を逸らされた。体勢を整えるのを待って
「足、痛めてない?」
敢えて下から覗き込む。
「だっだだ大丈夫で、す」
益々頬を赤く染め、真純が大きく左右に首を振る。
あー……堪んない
「今日はもう走るの禁止ね」
真面目な顔でそう言うと、真純の眉がキューンと下がった。
「……はい」
ここは遊歩道が整備されているから、ヒールのあるサンダルを履いた真純でも楽に歩いて行ける。
「すごーい!さ……拓真さん、綺麗ですよ?」
会話が途切れるとまだ間違える。その度頬を赤らめて訂正する様が可愛くてにやけそう。
「そんなに走ると危ないよ?」
今日はそれほど風は強くないが、高いヒールに日傘を差して走られると心配になる。急いで追い付いた途端
「ひゃあ!」
案の定、ガクッと右足を捻った。咄嗟に左腕を掴んで転倒を防ぐ。
「大丈夫?」
「は、い……スミマセン」
腕で吊られた様な状態で俺を見上げる真純。顔が赤いのは注意された上で転んでしまった羞恥から。すぐに下に視線を逸らされた。体勢を整えるのを待って
「足、痛めてない?」
敢えて下から覗き込む。
「だっだだ大丈夫で、す」
益々頬を赤く染め、真純が大きく左右に首を振る。
あー……堪んない
「今日はもう走るの禁止ね」
真面目な顔でそう言うと、真純の眉がキューンと下がった。
「……はい」