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例えば、こんな...
第1章 先生と男子高生
真純ちゃんにまたキュッと制服を握られた。

駄目だ
真純ちゃん、可愛い
これでも俺より六つ上なんだよなぁ……

絶対俺が、護ってみせるから

頭の中で黒田を追い払う算段をつけていたら
「ねぇ斎藤くん。鍵、掛けてたの?」
胸の中から真純ちゃんが聞いてきた。
そっと腕を解くと恥ずかしそうに頬を赤らめ、でも真っ直ぐ俺を見上げてて、その眼差しにクラクラきた。

あ、やっぱり気になる?

「掛けさせて、もらいました」
「……どう、して?」
首を傾げられて、ズクンと腹の底が熱くなる。

ヤバイヤバイヤバイヤバイ
治まれ治まれ……

頭の中でひたすら念仏のように唱え続けながらも
「邪魔、されたくなかったので……」
冷静を装って応えると、真純ちゃんがその目を大きく見開いた。
「どう、して?」
さっきと同じ質問。でも今の言葉には期待するような響きが含まれてると思うのは、自意識過剰?
「真純先生との時間、俺にとって何より大事なんです」
真っ直ぐ見つめ返す先で、真純ちゃんが小さく震えた。頬が更に赤くなる。
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